ネタバレDVD鑑賞記「妖怪大戦争(1968年 大映)
2010年 02月 16日
リチャリチャ劇場の流れから、これ・・・古き良き日本の怪談映画を紹介します
幼い頃にテレビで放送されているのを見て、怖くてたまらなかった記憶があり、
いい歳こいてからDVDを買ってしまいました。
ネタバレするあらすじ
バビロニアの遺跡に4千年ものあいだ封じ込められていた妖怪「ダイモン」が、発掘(盗掘?)によって
目覚め、なぜか(笑)海を渡って日本に飛んできてしまった。
海釣りで海岸に居合わせた代官を襲って彼になりすまし、人々の生き血をすするダイモン。
それに真っ先に気付いたのは、代官の屋敷の池に住む「カッパ」だったが、ダイモンに挑むも
全く相手にならず、仲間の妖怪たちの元に逃げ帰る。
ダイモンは吸血妖怪で、
血を吸った相手の体に乗り移る
妖怪たちは、西洋の妖怪であるダイモンのことを誰も知らず、カッパの話を信じない。
その頃、屋敷に仕える侍「新八郎」も代官が妖怪に体を乗っ取られていることに気付き、
祈祷師がお祓いをするも、犠牲になってしまう。
ダイモンは、手下に人間狩りをさせており、運良く逃げられた子供たちが妖怪に助けを求める。
妖怪たちは日本の妖怪のメンツにかけてもダイモンを倒すことを決意し、一丸となって戦うが、
太刀打ちできない。
新八郎は、ダイモンの目に矢を射て命中させるが、ダイモンは代官の体から抜け出て逃げてしまう。
妖怪たちは、日本中の妖怪を呼び集め、ダイモンに挑むが、ダイモンは分身の術を使って襲いかかる。
巨大化したダイモンの顔に向かって飛んでいく唐傘おばけと油すまし。
反対側からも天狗(?)が飛び、一斉にダイモンの一つ残った目を攻撃!
ダイモンは逃げて行き、夜明け前の道を嬉しそうに飛び跳ねながら帰っていく妖怪たち・・・。
感想
ダイモンは、大人になってから見ても不気味に感じます。怖い顔だ~(><)
体中に複雑な飾りのようなものがついた、凝ったスタイル・・・原型は鳥か?
そして、一匹のダイモンに手こずる日本の妖怪たち。なんだか、外国にコンプレックスを
持っていたのかなぁと感じる設定です。ダイモンはすごい武器も持っているし、強すぎます。
だからこそ、愛嬌ある日本の妖怪たちが、とても親しみを感じさせるのでしょう。
特に、剽軽なカッパ(一番上の写真では右端)や、中心的存在の油すまし(写真の真ん中)の活躍が
いいです。油すましは関西弁をしゃべってるけど、ここは伊豆という設定なんですよ~(笑)
私が好きなシーンは、全国から妖怪たちが集まってくるシーン。水軍(海ぼうずとか)、空軍、陸軍に
ちゃーんと分かれているし、鉢巻きなんかしちゃってカワイイんです。
ダイモンを倒したあと、「ゴーン」と、夜明けを告げる鐘が鳴って、妖怪たちが嬉しそうに帰って行く
最後も好きですね。朝もやの中を半透明な妖怪たちが行列していて、幻想的な光景です。
40年以上前の映画なので、特撮技術はちょっと・・・ですが、よく健闘しています。
ストーリー展開も面白く、所々にユーモアも散りばめられ、怖いだけではない怪談に仕上がっています。
79分という短さが、間延びしなくて良かったのかも知れません。
血が滴るシーンがあるものの、スプラッターホラーではないところも好感が持てます。
・・・そういうわけで、大好きな映画です