監督 中島哲也 「下妻物語」「嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵本」
ネタバレしないストーリー
中学1年の終業式後のホームルーム、担任の森口(松 たか子)はざわつく教室内で生徒たちに
淡々と語っている。
「私は、今月いっぱいで教師の仕事を辞めます」
一瞬静まるが、すぐにガヤガヤと私語を続ける生徒たちに構わず、森口の話は続く。
「大事な話をします」
黒板に大きく書かれる「命」の文字。
シングルマザーである森口の、結婚するはずだった相手がHIVに感染していたこと、その相手との間に
生まれた娘の愛美をいかに愛していたかということ・・・・
「愛美は死にました。でも・・・事故死ではありません。愛美は、このクラスの生徒に殺されたんです。」
敢えて犯人の名前を言わなかったが、話の内容から2人の人物を特定する生徒たち・・・・。
新学期。新しく担任になった寺田(岡田 将生)は、登校拒否をしている下村の家への家庭訪問を
続けたり、いじめに遭っている渡辺をかばったりするが、この二人が森口の娘の殺人にかかわって
いたことを知らない。そして、事態は終末へと向かっていく・・・・。
感想
原作を読んだのですが、大変面白くて、引き込まれるように夢中で読んでしまいました。
映画のCMがなんだかファンキーな感じだったので、どう映画化されているのか興味津々でしたが、
とっても面白かったです。画面から目が離せないし、日本映画でよく感じる「間延び」がないんです。
原作に忠実に映画化されていると思いましたが、本だともっと人物の内面が詳しく書かれてるので、
後から読んで新しい発見をするのもいいと思います。
松 たか子の、押さえた演技、淡々とした、感情を殺した語り口も良かったです。
裏で何を企んでいるかわからないといった風なコワサが感じられました。
最近の中学校では、ホームルームの時間に生徒があんなに勝手な行動をとっても許されるのでしょうか。
私は、まずそこに衝撃を受けました(笑)。自分が中学生だった頃を思い出しても、私語でうるさかった
というのはあっても、教室内を徘徊したり、出て行ったりというのは考えられませんね~。
岡田 将生くんの、若くて突っ走って空回りしている教師も、イタさが良かったです。
少年法に守られた年齢の子供に、どう復讐するか・・・
私としては、この話での復讐方法はとても効果的だと思いましたが、本当に実行したのかどうかは
原作を読んだ時から疑問です。映画では、現実的な映像となっていますが・・・・。
これ、オススメの映画です。